地域おこし協力隊:「ミッション」なき募集は失敗の元。Uターン活用という選択肢
まとめ
- 事実:過去の導入検討は難航し、現在は県プログラムの1名のみ(任期満了間近)です。
- 論点:「どのようなミッション(任務)で呼ぶか」が決まっていないため、新規募集ができない状態が続いています。
- 次の問い:ミッションの明確化と、ミスマッチを防ぐための「Uターン型(地元出身者)」の積極活用。
質問の背景(なぜこれを聞いたのか)
国の財政支援がある有利な制度ですが、活用が進んでいません。「よそ者」を受け入れるリスクや準備不足が理由に挙げられますが、工夫次第で地域の強力な味方になります。特に地元出身者の呼び戻し(Uターン)に活用できないか提案しました。
質疑の整理(要点)
1) 一般的な募集の難しさ
過去に検討しましたが、事業選定(何をしてもらうか)が決まらず、住居の確保なども含め受け入れ態勢が整っていないため、直近での募集は困難との回答でした。
2) Uターン型(地元出身者)の提案
「知らない人」を受け入れるハードルを下げるため、地元出身者を協力隊として採用する手法を提案しました。 当局も、現在の協力隊員(県プログラム)が県内出身者でうまくいった例を挙げ、Uターン促進策としての有効性を認めました。まずは「呼んで何をしてもらうか」のプロジェクト設計から再考するとのことです。
メモ
「地域おこし協力隊」は魔法の杖ではありません。「何をしてもらうか」の設計が不十分だと、隊員も地域も不幸になります。地元出身者なら地域に馴染みやすく、任期終了後も定住につながりやすいため、太良町に合った現実的なモデルと言えます。
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地域おこし協力隊について質問をさせていただきます。 日本全国の自治体で地域おこし協力隊を積極的に呼び込み、課題解決の推進力を獲得して いる地域が多くございます。 地域おこし協力隊という制度はあくまで地方自治体に対する国の交付金措置として実行さ れるもので、地元自治体の財政負担が比較的少なく、導入しやすい制度だと考えられます。 太良町としての協力隊受け入れについて質問をいたします。 第一に、地域おこし協力隊の受け入れについての検討状況はどうか。第二に、来年度から の受け入れは可能か。不可の場合、受け入れに際する本町の課題は何か。お答えいただきた いと思います。 ○町長(永淵孝幸君) 山口議員の3点目、地域おこし協力隊についてお答えいたします。 1番目の受け入れについての検討状況についてでございますが、平成27年12月から導入に 向けたニーズ調査に着手し役場内で検討を重ねましたが、事業選定に難航いたしました。そ の折に、佐賀県の地域おこし協力隊を活用した地域活性化策の募集がありましたので、これ に応募して、平成29年度から企画商工課で協力隊1名を受け入れることができました。なお、 その方は今年度で任期満了となります。 次に、2番目の来年度からの受け入れの可否と受け入れに際する課題でございますが、現 段階では来年度の受け入れの準備は整っておりません。協力隊の受け入れに際しては、前も って活動事業をしっかり決定しておく必要がありますが、これが決定しておりません。これ が決定して初めて予算措置、例規整備、募集、選考という一連の準備に進みますが、同時に 住居の確保や移住のためのサポート体制も整えなければなりませんので、相応の時間が必要 でございます。 何より、初めての町に生活の拠点を移し、新たな環境で活動を行っていただくことになり ますので、業務と生活の両面のサポートが必要であり、隊員の定住、定着まで考えれば、隊 員個人の人生にまでかかわる事業でありますので、十分な準備が必要という認識を持ってお ります。現段階ではそれらの事情が整っていないので、来年度の受け入れは厳しいと考えて おります。 以上でございます。 ○1番(山口一生君) 先ほどお答えいただいて、どういった事業にその協力隊の協力を仰ぐかというのがまだ決 めかねている、話し合いが十分に行われていないということなんですけども、実際、現在協 力隊員5,000名以上日本全国におります。導入をしている自治体も1,000以上ございます。約 半分の自治体が既に地域おこし協力隊の制度を活用して、いろんなところから呼び込むとい うのをやられています。 私からの提案なんですけども、こちら地域おこし協力隊、非常に問題が多い制度でも実際
- 62 - あります。実際、受け入れに際して生活的な面で、例えば近隣の方とトラブルになってしま ったりとか、行政の中でお仕事をしていてなかなか自分の思うように動けなくなって退職し てしまうケース、ほかにも近くの市町でもいろんなトラブルも起こっていますけれども、比 較的トラブルが少ないケースとして、地元出身者を地域おこし協力隊として受け入れるケー スがございます。 これはどういうことかというと、例えば高校を卒業して大学に都会のほうに出ました。そ ういった地元出身者の方が、仕事があったら太良町に戻ってこれるのになという思いを抱え ていらっしゃる方ももちろんいらっしゃいます。例えば、親、おじいちゃん、おばあちゃん、 自分の親戚といった方が町内にいて、自分がまちのほうで働いてはいるけれどもいずれ戻り たい、でもそのチャンスがない。でも、町はどんどんどんどん疲弊していっているというの は外から見ていたらわかるんですね。なので、全くの赤の他人を最初から受け入れるという のは、もしかするともっともっと議論をして環境を整えてというのが必要になるかと思うん ですけれども、そういった地元出身者の方に太良町に3年間だったらそういった地域おこし 協力隊の事業を活用して太良でいろんな力を振るっていただくということが可能になる可能 性がございます。近隣の地域の方も全くの他人というか知らない方がこちらに来るよりも何 とか君帰ってきたねみたいな、何をすっとねという感じで、いろんな期待もできるし、いろ んな人間関係のある中でのスタートとなるので、比較的今の太良町の現状を考えるとそうい ったスタートの方向性でもいいのかなというふうに考えております。 今回、対象の事業選定なんですけども、こちらはワーキングチームだったり話し合いの場 を持つ計画というのは今のところございますでしょうか。 ○企画商工課長(津岡徳康君) お答えいたします。 平成27年度に事業選定をいたしましたところ、役場の中の担当所管課で地域おこし協力隊 の需要を諮ったというのが最後でございまして、それ以降は何も行っていないというのが実 情でございます。 以上でございます。 ○1番(山口一生君) その平成27年度から既に4年ぐらい経過していますけれども、地域おこし協力隊の中身が 大分わかってきて、いろいろといい面悪い面というのが明らかになってきていると思うんで すけども、そういったところでもう一度そういった事業選定、活用できる範疇というのがど ういったところにあるかというのを議論するということも考えてみる場をつくっていただく ことは可能でしょうか。 ○企画商工課長(津岡徳康君) お答えいたします。
- 63 - 今、実際企画商工課に地域おこし協力隊としてお一人勤務をしていただいております。そ の方は、佐賀県の子育てしたい県というプログラムの中で、子育て世代が太良町のいろんな 取り組みに参画することで地域を活性化させればすばらしいという県のプロジェクトに乗っ た形で太良町にお越しいただいて、もうすぐ3年間の任期満了になりますが、活躍をしてい ただいたところでございます。非常にいろいろな取り組みをしていただいて、町としては非 常にプラス面が多かったことでありますので、地域おこし協力隊といたしましての効果とい うのは一定程度私どもも理解をいたしたところでございます。 その中で、実際、その方は佐賀県出身の方でしたので、もともと地元観のある方でしたの で、うまくいったということもあると思います。 実際、全国に対して地域おこし協力隊、佐賀県太良町で何かやってみないかといったとき には、さすがにどういった方が来られるかわからない、本当にその方が太良町のためになる かどうかもわからない中で面接をしてこの人ならばという形で選んでいくことになるんです けれど、確かに山口議員さんが御提案されたとおり太良町の出身者が地域おこし協力隊とし て太良町に里帰りをしていただくということであれば、当然有効なUターン策ともなります。 また、そういったことから地元の住民増加にもなるといったことから、非常にすばらしいな あというふうなことで今御提案を聞いたところでございます。 そういったことから、今後そういったことも踏まえまして、地域おこし協力隊の活用のジ ャンルとか、まずプロジェクトを決めないと呼ぶだけ呼んで何をさせるかわからないじゃ話 になりませんので、そこからもう一回考えていく機会が必要になってくると思います。先ほ ど御提案のとおりUターン策もあわせて検討させていただければというふうに前向きに検討 いたしたいと担当課として思ったところでございます。 以上でございます。 ○1番(山口一生君) 今回、質問をさせていただいた学童にしろ、この外国人にしろ、地域おこし協力隊にしろ、 人の問題について質問をさせていただきました。実際、何か建物をつくったりとかというの は目に見えて効果が出るというかエンドがわかりやすいものですけれども、人の問題という のがなるべく早く手をつけたほうが後々調整がきいたりとか、いろんな経験値を積んだりと か、そういったことが可能な範疇だと私は思っています。 その外国人を受け入れる、協力隊を受け入れる、いろんな今までいなかった人が町の発展 とか維持に対して協力してくれる体制をいかに早くつくれるかが、今後人が減っていくのは ある程度とめられないものがあるかもしれないですけれども、町の機能を維持していくため に必ず必要になってくると思いますので、こちらの3点について前向きに御検討をお願いし たいと思います。 では、以上で終わります。