一般質問 /
ふるさと納税:26億円の寄附を「町の稼ぐ力」にどう変えるか
まとめ
- 事実:平成27〜30年度で約24万件、総額26億円以上の寄附を獲得。町の貴重な財源となっている。
- 論点:経費50%ルール等の規制強化の中で、寄附額を維持しつつ、いかに町内産業の振興につなげるか。
- 次の問い:業務の「町内事業者への委託(アウトソーシング)」を進め、町全体のECスキル・物流能力を底上げできないか?
質問の背景(なぜこれを聞いたのか)
ふるさと納税は単なる「財源」ではなく、町内事業者が全国と商売をするための「練習の場」になり得ます。役場直営だけでなく、意図的に町内事業者に業務を委託することで、将来的にふるさと納税がなくなっても自走できる産業構造を作るべきだと考えました。
質疑の整理(要点)
1) 寄附者との関係性
24万人もの寄附者に対し、メールマガジン等での発信は行っているが、より深い関係構築(ファン化)の余地があります。
2) 業務委託と産業振興
ポータルサイト対応や物流などの業務を、町外業者ではなく「町内事業者」に委託できないか提案しました。 これに対し、「個人情報保護やクレーム対応の信頼性から、現在は直営+一部委託が望ましい」との慎重な姿勢でした。しかし、町内事業者のITスキル向上の観点からは重要な視点です。
3) 特別会計の提案
事業の透明性を高め、係数を明確にするために「特別会計」への移行を提案しましたが、多くの補助金事業の財源(一般財源)として活用されている現状から、一般会計での運用を継続するとの回答でした。
メモ
「稼いだお金」をどう使うかも大事ですが、「稼ぐプロセス」を町内のノウハウとして蓄積することこそが、真の地方創生です。
全文(書き起こしテキスト)を読む
○議長(坂口久信君) それじゃあ、休憩前に引き続き一般質問を行います。 山口君、質問を許可します。 ○1番(山口一生君) 引き続き一般質問をさせていただきます。 2つ目の質問です。
- 63 - ふるさと納税制度についての質問をさせていただきます。 ふるさと納税制度は、本町にとって非常に重要な財源として成長をしています。国のルー ル変更により、制度活用のためには非常に多くの配慮や準備が必要となっているのが近年の 傾向です。今後のふるさと納税制度への取り組み方について問います。 1つ目、これまで寄附をくださった方の総数と、その方々への情報発信はどうなっている か。 2つ目、寄附に対する使途公表方法とその効果、寄附者の方からのフィードバックはどう か。 3つ目、ふるさとチョイス以外の寄附の窓口を利用しないのはなぜか。 4つ目、経費50%ルールへの対応には広告費の削減が必要だと考えられるが、こういった 状態で寄附額を維持することは可能か。 以上、4点を質問させていただきます。 ○町長(永淵孝幸君) 山口議員の2点目、ふるさと納税制度についてお答えします。 1番目の寄附の総数と情報発信についてでありますが、平成27年度から30年度までの実績 で申し上げますと、総件数が24万3,588件、総額で26億9,754万円となっております。 寄附していただいた方々への情報発信につきましては、個々には発送完了のメールやお礼 状の送付、また希望される方にはメールマガジンの配信、広くはふるさと納税ポータルサイ トや太良町ホームページ等において総合的な案内、報告を行っているところでございます。 2番目の使途の公表方法とその効果についてでありますが、公表につきましては先ほどと 同じくポータルサイト等による公表を行っているところであり、寄附者の方の声として、使 い道の情報がしっかり出ているので安心できる、教育に関する事業内容の説明が具体的でと てもよいと思いましたなど、具体的でわかりやすい表現により、使途を選択する上で、より 寄附者の方々の希望に沿ったものと御理解いただけるものとなることに加え、個々の事業に 対する御意見等もいただくこともあり、その効果は得られているものと認識いたしておりま す。 3番目のふるさとチョイス以外の寄附窓口についてでありますが、ふるさとチョイスは国 内最大大手のふるさと納税サイトであることもあり、本格的な取り組み以来、利用させてい ただいているところでございます。ほかにもさまざまな会社のサイトがありますが、手数料 や申し込み条件等の関係から、いろいろ検討した結果、現在1社の契約となっているところ でございます。 4番目の寄附額の維持についてでありますが、御案内のとおり、平成31年度の税制改正に おいて指定基準が設けられ、その中に募集経費を5割以下とすることと定められております。 基準に沿った対応が求められることから、広告費に限らず業務全般にわたって検証を行い、
- 64 - 対応可能な範囲の中ではありますが、太良町の魅力を発信しながら少しでも多くの寄附をい ただくことができるよう、寄附者の方の継続した応援と新たな確保に努めてまいりたいと考 えております。 以上でございます。 ○1番(山口一生君) これまで寄附をしていただいた件数というのが24万件、26億円を超えるということなんで すけれども、本当にすばらしい数字だなと思います。24万件数ですけれども、例えば24万人 だとしてもこういった方々が太良町に寄附をしていただいてる。で、ふるさと納税を活用す ることができる方で、ある程度安定した所得がある方だと思います、こういった方々にしっ かりと情報発信を行って、今言われたような例えば発送完了とかメールマガジンとかふるさ と納税のポータルを通じてとかっていうところもあるんですけども、もう少し突っ込んだと ころでコミュニケーションがとれるようになると、こういった方々の需要も拾えるのかなと 思います。 その使い方について今回質問をさせていただいたんですけども、なぜこういうことを質問 したかというと、今近年例えば地場産品に限るとか、そういった総務省からの要件というの が非常に厳しくなってるんですけども、物すごく使い方を気にする寄附者の方が近年ふえて きていますというリサーチがありました。やはりどういった使い方っていうのが共感を得や すいかというと、その教育とかももちろんそうなんですけども、特にその地方の自治体、人 口が減少しているような世帯とか地域での産業振興に対する取り組みっていうのが高く評価 されているケースがあります。 こちらのふるさと納税を使って、本当に太良町の産業が物すごく飛躍するチャンスだなと 思ってはいます。しかし、このふるさと納税に頼り過ぎた場合に、やっぱり一事業者として 売り上げの相当の部分を占め出すと、どうしてもそのふるさと納税が今後なくなったときに 物すごく問題が顕在化しかねないということで、私はそこを危惧をしています。私のほうか ら50%ルールとかほかの寄附窓口とかっていうのを質問させていただいてるんですけども、 実際に機会損失というか取りこぼしているところもかなりあるんじゃないかなというところ があります。 今の体制の状態をお伺いしたところ、例えば楽天とかっていうポータルもあるんですけど も、そういったところは技術的に対応できる職員がいないということをお伺いしてます。対 応できる技術がないというのは、例えばその手数料とかそういったもろもろの理由ではなく て、基本的にそういった技術を町の中に持てれば、そういったほかのポータルサイトも利用 できるのかなと思っています。 こういったところで、例えばその楽天というか個別のあれはあるんですけども、そういっ たほかのポータルを利用するために町外もしくは町内にそういった事業を業務委託するよう
- 65 - な選択肢っていうのは考えられないかっていうことをちょっと教えていただけないかなと思 います。 ○財政課長(西村正史君) お答えいたします。 業者のまず選定の件でございますけども、先ほど御案内のとおり各業者によって手数料が 異なってまいります。高いところでは12%、15%といった手数料もございます。その中には もちろんその業務自体も委託した内容というふうなことになっておりますけれども、これも 御案内のとおりその内容自体が取り次ぎで終わったりとか、あとオペレーター的な対応とか、 そういった対応を業務としているような会社もございます。 うちのほうは今直営でしておりますけども、逆に直営にしたほうが寄附者の方々の直接の 声、それからどうしてもらいたいのかと、こういった声を反映したきめ細かな対応が当町で はできているというふうに認識しております。 それから、民間の業務委託の件でございますけども、この業務委託についても私どもでも 大分検討をいたしております。今主流といたしまして外部委託というのが主流になっており ますけども、先ほど申し上げたような個々の条件等もございます。うちのほうでも業務委託 といった形で一部を業務委託を現在いたしております。 一つはワンストップの受け付け業務 とか、あと配送対応業務、これらを今外部委託しているところでございます。 この業務委託でございますけども、当然その雇用の面、それからその内容等によりますけ れども、もし町内でその体制が整っているようなところがあれば、それは検討していきたいと いったところでも以前私が答弁しているところでございます。 もう一つは、太良町に対して寄附をいただいておりますので、できるだけその寄附につい ては町内のほうで対応していきたいといったところがございます。したがいまして、できる ならば町外の業者じゃなくて町内でそういった体制がとれているところ、こういったところ があれば今後検討していきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○1番(山口一生君) 町内でそういった体制がとれればということなんですけれども、体制をとるときに、もち ろん今の現行のふるさと納税の見えてる業務の部分もあると思うんですけども、今ちょっと 不足しているなという部分が私も思い当たるところがありまして、それがどういうところか っていうと、今ふるさと納税に出せてる事業者さんっていうのはごく一部、限られた方が出 品をされてるような印象があります。もちろんミカンの業者さんとかふえてはきてるんです けども、よく町の中で聞く声が、パソコン使えんけんちょっとふるさと納税しいえもんねと か、ネットに接続しとらんけんふるさと納税しいえもんねという、そういった方もかなりの 数いらっしゃるなと思います。実際に町として産業を強くしようと思ったときに、そういっ
- 66 - た例えばパソコンを扱う技術であったりインターネットの使い方であったり、そういった部 分をこういったふるさと納税の事業にかかわることによって取得していく、体得していくっ ていう事業者さんもこれから出てくるとは思うんですけども、そういったところの、例えば ITの技術を使うとか、そういったところの教育というか啓蒙というか、そういうところも できればこのふるさと納税の事業の中に産業振興という形で組み込んでいただけないかなと いうのが私の意見なんですけれども、それについてはどうお考えでしょうか。 ○財政課長(西村正史君) お答えいたします。 インターネット環境というのが今協力事業者の募集の要項の中の一つとして御案内のとお り上がっております。このインターネットとかパソコンですけども、現在においては情報の 交換とかも広く活用されている状況ということは私たちも把握をしております。しかしなが ら、その返礼品の商品の管理、それからやっていく上での業務の内容等についても、どうし てもそういった環境が整ってないと迅速な対応等がちょっと問題が出てくるんじゃないかと いったところも懸念しているところでございます。 もし、その緊急的な対応、今どこにあるのか、売るためにはどうしたらいいのかといった 声も中にはございます。こういった緊急的な対応の仕方によっては太良町の信用性等を落と すような状況も考えられます。それを防止するためにも出荷体制とか連絡体制とか、こうい ったところのインターネット環境が整っている業者がふさわしいというところで今条件をし ているところですけれども、もしですけども、例えば町内のいろいろな特産品等を扱ってら っしゃるたらふく館さん等を利用していただいて、当然そこからは協力業者さんになってお られますので、そういったところをまず活用されての対応をされてはどうかといったところ を考えられます。その教育等につきましても、うちの事務所のほう等に来られた場合にはこ うこうこうですよといった内容でのお伝えをしているところでございます。 繰り返しになりますけども、御存じのとおり全国的にもいろんな問題が出ております。 一 度失った信用性、信頼性というのは復活するのに相当の実績、それから時間も必要となって まいります。そして、その損失も大きなものになり、多くの業者さんにも迷惑となり、また 寄附者にも迷惑となるということもございますので、やはりそれなりの対応、受ける側の対 応として体制は整えていくべきだと私は考えております。 以上でございます。 ○1番(山口一生君) 先ほど町のイメージを著しく損なうリスクがあるっていうことで、私もそれは本当にそう いうリスクもあるなとは思うんですが、実際その中に入れるものとかを決めたり、実際配送 を手配したり、そういう本当の実際の仕事っていうのは役場の方がやってるわけじゃないん ですよね。実際にその品質を担保しているのっていうのは、本当に参加している事業者が一
- 67 - 生懸命甘いミカンを選んだりとか、ちゃんととれたものを選んだりして、傷がないように丁 寧にこん包したりっていう手間暇をかけて、それでクレームが少ないとか、ある一定でおさ まるっていう状況をつくっていると思うんですよ。なので、例えばそこに役場が介在したか らクレームが減ってるのかっていうところについては、私はもう少し検証できる余地がある のかなというふうに考えています。 先ほど待永議員の質問にもあったように、例えば買い物のバスを走らせてみてはどうかと かっていうお話があったときに、それは町内のスーパーに委託したらいいんじゃないかって いう話がありました。何か、聞きようによっては、これは赤字だからちょっと委託でもうキ ャッシュアウトしようっていうような印象にも私にはとれてます。今のところふるさと納税 は明らかにもうかっている事業というか利益を上げている事業なので役場の中にとどめてお こうっていうような、もしそういうスタンスであれば私はすごく損失が大きいなと思います。 やはり業務委託に出す、町内の事業者であればっていう話があるんですけども、実際にそ ういったことをやれる事業者を企業誘致することによってこのふるさと納税をさらに活性化 させたり、町内の事業者さんが自分のつくっているもの、それをもう少し自信を持って発信 できるような体制をつくれないかなっていうことを考えています。なので、余ったこの寄附 を基金に積み上げるのももちろん町の未来には必要だと思うんですけども、喫緊として実際 に衰退は始まってますし、疲弊はしています。なので、外部からこういったお仕事があるか らこういった業務をしてくれる人を呼び込むというか、そういう受け皿としてふるさと納税 を活用できないかなというふうに考えています。 そこの差し当たって、やっぱりふるさと納税の事業っていうのが実際どれぐらい効率よく 運営されているのか。50%の経費をかけて運営しなさいっていうルールがあるので、50%を 上回った時点でふるさと納税に参加できなくなるんですよね。なので、そういうリスクも考 えながらですけども、やはりここら辺を明確にするために、このふるさと納税の事業自体を 特別会計に切り出すっていうことを提案できないかなと考えています。そちらについてはど うお考えでしょうか。 ○財政課長(西村正史君) お答えいたします。 まず、業者様の件でございますけども、確かに内容をしっかり把握していただいて、そし て自分たちの業者としての対応はどうしたらいいかと、そういうところまでしっかりとした ところなら十分検討の余地はあると。しかしながら、 一部の業者となればどうしても民間に なりますので、言葉は悪いんですけども、どうしてももうけ主義のほうに走ってしまって問 題が発生したといった業者さんのほうも幾らか入っております。したがいまして、その業者 選定についてはかなり慎重な対応が必要というふうに考えます。 それから、特別会計の件でございますけども、特別会計につきましては今現在地方自治法、
- 68 - それから地方財政法等で定められておりますけども、 一般の歳入と歳出を区分して経理する 必要があるときに限り条例で設置することができますよといった規定がございます。それと、 これは国の特別会計になりますけども、その基本理念に存続の必要性がないと認められる場 合は、逆に一般会計のほうへ統合しなさいよといった内容もございます。 このふるさと納税の性質から申し上げますと、どうしてもその財源自体は寄附から成って おります。その寄附についても必要経費ですね、これを除いてはその使途の柔軟性が主とな ってまいりますので、今は一般会計に属している事業のほうに充当しているというところが ございます。というのが、 一つは国とか県とかの補助金の中でどうしても市町負担金という のが発生してきますけども、その分にもふるさと納税の充当を行っているといったところも ございます。このふるさと納税の継続性の面から考えますと、長期にわたる担保はない制度 でございます。それから、どうしても将来的には不透明なところがございます。こういった ところからも、その特別会計の創設についてはどうかといったところもございました。しか しながら、今現在でも多額の寄附を集めてらっしゃる市町では特別会計といったところの区 分をして管理されているところもございます。 繰り返しになりますけども、特別会計の扱いとなればどうしてもその範囲の中での運用と なりますので、どうしてもその使途、それから使途が限定的な狭義になってしまうといった ところも懸念されます。これらのことから、今現在では一般会計の中で処理をしているとい った状況でございます。 以上でございます。 ○1番(山口一生君) 特別会計と一般会計の説明、ありがとうございました。 その今のふるさと納税によって実現されている事業が幾つかあると思うんですけれども、 例えば寄附額が下がった場合にその幾つかの事業というのは維持できなくなる、もしくはそ の一般会計のほうから工面する必要があるものがあると思うんですけども、実際にふるさと 納税があるから今太良町として実施している事業の代表的なものを幾つか上げていただけな いでしょうか。 ○財政課長(西村正史君) お答えします。 まず、先ほど言いましたように産業の振興の面から申し上げますと、農地基盤整備費補助 金、これは荒廃地等に準ずるような土地等をきれいに整備して、そこで農産物を生産するた めの地盤整備に対する補助金になっております。 それから、親元就農給付金、昨年創設されました親元就漁給付金、それからこっちのほう ではイノシシが発生が多いということで有害鳥獣被害防止対策補助金等と、この産業振興の ほうに6,920万円の充当をしております。
- 69 - 少し長くなりますけども、それから医療、それから福祉の充実になってまいりますと、こ の中で予防接種事業、60歳以上のインフルエンザですけれども、これに対する補助金でも 520万円、それから高齢者の外出支援サービス、第2子保育料無料化事業等々で医療福祉に 関するもので2,730万円。 それから、環境の保全のほうになりますけども、家庭用合併処理浄化槽設置整備事業費補 助金、これに970万円、それからリサイクル石けん等製造委託料、それから水産多面的機能 発揮対策事業費補助金等々で合わせて1,460万円。 それから、教育の推進のほうになりますけども、令和元年度になりますけども、大浦中学 校のテニスコートフェンス改修事業に1,000万円、それと学校ICT支援員等配置事業委託 料に1,260万円等々で、教育に推進する事業に5,800万円の充当をしております。 その他の事業といたしまして、移住・定住促進事業費補助金に600万円、誕生祝金に890万 円、結婚祝金に680万円等々で、その他を合計いたしまして6,990万円の充当をしているよう な状況でございます。 以上でございます。 ○1番(山口一生君) ありがとうございます。かなり多くの非常に重要な事業がふるさと納税によって賄われて いるという認識ができました。 やはりふるさと納税、どうなるかわからない事業ですけども、せめて寄附額を維持するで あったり、こういった中でふるさと納税が終わっても自分のブランドを確立できているとい うような状態に何としてでも持っていかないと、今後ふるさと納税が抜けた穴っていうのを 埋めるのはかなり至難のわざではないかなとは思いますので、いろんな町内外のいろんな知 見をお持ちの方と一緒にこの制度事業を使って事業を盛り上げていければなという思いです。 次の質問に移らさせていただきます。