一般質問 /
デジタル化:年間190万枚の紙と、消えゆく職員数
まとめ
- 事実:町役場全体で年間約190万枚(1日約8,000枚)の紙を印刷・消費している。
- 論点:人口減少に伴い職員数も必ず減る未来に対し、デジタル化の計画がなく「国の方針待ち」の状態。
- 次の問い:プリンターの一括調達によるコスト削減と、定型業務のデジタル移行をいつ始めるか?
質問の背景(なぜこれを聞いたのか)
「判子をなくす」等の表面的な話ではなく、将来的に職員が減っても行政サービスを維持できるかという危機感から質問しました。現状の紙主体の業務量では、人が減った瞬間に役場がパンクします。
質疑の整理(要点)
1) 紙のコストとスペース
年間700万円以上の印刷コストに加え、保管スペースも増え続けています。文書保存年限の見直しや、廃棄サイクルの徹底が必要です。
2) 機器調達の非効率
プリンターやコピー機を課ごとにバラバラに調達しています。全庁的な一括リース契約(ボリュームディスカウント)を提案し、検討に値するとの回答でした。
3) デジタル化計画の不在
独自のデジタル化計画はなく、「国(デジタル庁)や県の動きを見てから」という受動的なスタンスです。 しかし、トップランナーにならずとも、現場の負担を減らすための身近なデジタル化(RPA等)は待ったなしです。
メモ
デジタル化は手段です。目的は「職員が住民に向き合う時間を増やすこと」。紙を探す時間をゼロにするだけで、その時間は生み出せます。
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○1番(山口一生君) 次の質問が、行政のデジタル化についてということで質問をさせていただきます。 最近、国のほうでも判こを廃止しますとかそういったことが起きているんですけれども、 まず今の太良町の行政として、どういうふうにお仕事をされているかというところをお伺い したいと思います。 1番目、本町で購入、管理、運用しているコピー機、プリンター、複合機、ファクスの数
- 62 - はそれぞれ何台あるか。 2番目に、年間の総印刷枚数及び総費用はどれぐらいか。 3番目、1日当たりの紙の使用量はどれぐらいか。 4番目、印刷された紙は保管もしくは廃棄となりますが、その割合はどれぐらいか。 5番目に、紙文書の保管に必要なスペースはどれぐらいか。費用はどれぐらいか。 6番目、保管に際して、セキュリティー上の問題はないか。 7番目、職員のITリテラシー向上のための取組はどのように行っているか。 8番目に、デジタル化推進の枠組みや計画はあるか。なければなぜないのか。 9番目、行政のデジタル化によって、どの程度の工数削減が見込めるかを把握しているか。 以上、9点についてお伺いをします。 ○町長(永淵孝幸君) 山口議員の2点目、行政のデジタル化にお答えいたします。 1番目の本町で購入、管理、運用しているコピー機、プリンター、複合機、ファクスの台 数でありますが、令和2年度分として、コピー機2台、プリンター70台、複合機15台ありま す。なお、ファクス単体の設置はありません。管理、運用については、購入とリース契約合 わせて177万7,000円となっております。 2番目の年間の総印刷枚数及び総費用についてでありますが、令和元年度実績で申し上げ ますが、年間189万7,079枚、紙、トナー代の総費用で723万5,000円となっております。 3番目の1日当たりの総使用量についてでありますが、年間使用枚数を年間稼働日数で割 りますと、1日7,839枚となります。 4番目の印刷された紙の保管と廃棄の割合でありますが、チェック用や目的達成後の廃棄 分で、およそ1割程度と思われます。 5番目の紙文書の保管に必要なスペース及び費用についてでありますが、庁舎内の文書保 管用書庫で105平方メートル、別棟の一括受電室で100.1平方メートルを有し、庁舎内の書類 の保管庫は令和元年度末で293台保有しております。また、経費として文書検索システム管 理委託料を年間23万1,000円で契約いたしております。 6番目の保管に際してのセキュリティー上の問題はないかについてでありますが、文書保 管の責任と保存及び廃棄等について、太良町文書事務取扱規程に基づき管理をしております が、さらなる徹底を図るため、庁務専決及び代決規程と合わせて、文書の起案から決裁及び 管理を含めた文書事務について法令遵守を徹底してまいります。 次に、7番目の職員のITリテラシー向上のための取組についてでありますが、主な取組 といたしましては、IT活用による業務の生産性と効率性の向上を図るため、佐賀県町村会 主催のパソコンスキルアップ研修に新規採用職員を毎年参加させております。そのほかにも、 不定期ではありますが、杵藤地区広域市町村圏組合主催のパソコン研修が開催される際にも、
- 63 - 希望する職員を参加させているところでもあります。 また、個人情報等の漏えい防止やソフトウエアライセンスの適正管理など、セキュリティ ー対策を強化するため、本町独自に全職員を対象とした情報セキュリティーに関する研修会 の開催や、令和元年度からはe-ラーニングによる情報セキュリティー研修の受講などの取 組を行っております。 次に、8番目のデジタル化推進の枠組みや計画はあるのか、なければなぜないのかについ てでありますが、現状においてはデジタル化推進に関する計画等は、重要施策として位置づ けしていなかったため策定しておりません。 しかしながら、現在国においては地方行政のデジタル化を推進するため、新たにデジタル 庁の創設が予定されており、国や地方自治体のシステムの統一、標準化、マイナンバーカー ドの普及促進による各種給付の迅速化や行政手続のオンライン化など、デジタル化の利便性 を実感できる社会の実現を目指すべく検討が進められております。 本町においても、今後国から地方行政のデジタル化に向けた取組などの詳細が示された場 合には、これらの流れに乗り遅れることなく、必要に応じ対策を講じてまいりたいと考えて おります。 次に、9番目の行政のデジタル化による工数削減の見込みについてでありますが、デジタ ル化推進の中身によって、工数の削減にも大きな違いが生じるものと思います。先ほども答 弁しましたとおり、現状においてはデジタル化推進に係る計画等を策定しているわけではあ りませんので、お尋ねの工数削減については具体的には把握はできておりません。 以上でございます。 ○1番(山口一生君) 9番目までの回答をありがとうございます。 本町で購入、管理、運用している機械の数をまずお伺いをしているんですけれども、この 調達の方法についてお伺いをします。 これは全て例えば同じメーカーで調達をされているのか、それともどういった区分で、ど ういったタイミングで調達をされているのか、そこを教えてください。 ○総務課長(田中照海君) お答えいたします。 コピー機、プリンター、複合機ということで管理をいたしておりますけれども、コピー機 につきましては、それぞれの業務の、コピーを優先した機械でございますので、見積りを取 って一番よろしい機械を購入しております。複合機についても一緒でございますけれども、 プリンターにつきましては、総合行政システムといいますか業務の都合によりましてRKK システムズというところのプリンターをリースしている状況でございます。 以上です。
- 64 - ○1番(山口一生君) 個別の用途に応じて都度調達をすると、もしくは課の権限で調達をしているということだ と思うんですけれども、これだけ台数があって、年間189万枚近くの紙を印刷しているとい うことであれば、町として使用する印刷をする機械、これの一括での調達というか、全体で 幾らというような見積りの取り方というか、RFP、提案を受けてもいいのかなと思います。 実際、ちょこちょこちょこちょこ1台ずつ替えていると、あまり1台ずつというのは安く なりません。本体にしろカウンターの料金にしろ、安くするということはかなり難しい部分 があるので、全体でこれぐらいのボリュームがあるので、どのメーカーさんかいい提案がも らえませんかというような調達の方法も今後検討していいのではないかなと思いますけれど も、それについてはどういうふうに考えますか。 ○総務課長(田中照海君) お答えいたします。 先ほどリース契約ということで長期に契約している分もございますけれども、議員おっし ゃるとおり一括で購入のメリットも当然ございますので、検討に値する提案だと思っており ます。 以上です。 ○1番(山口一生君) 必ずしも購入というわけではなくて、リースの一括の調達というのでもいいかなと思いま す。 3番目の1日当たりの紙の使用量はどれほどかということで、先ほど7,839枚ということ で言われてます。100名近く職員がいらっしゃって、1人80枚程度1日当たり出力している ということになるんですけれども、これの8,000枚近くの紙を毎日毎日印刷しているという ことは、これを印刷したものを保管するか廃棄するかどちらかになると思うんです。先ほど 言われた1割ぐらいは廃棄をしているだろうと。残りの90%は保管をしているだろうと。そ の9割を保管する、今度はスペースが必要になってきます。 そういったところで、こういう無駄な紙が出れば出るほど、どんどんどんどん保管のスペ ースも必要ですし、印刷するための経費も必要ですし、それを探す手間も必要ですし、それ を紛失するリスクもありますよね。そういったところについて、先ほど文書管理の規程を見 直すなどの対策を講じるということを言われているんですけれども、どういった部分につい て対策を強化していこうと考えられているのか、そこを教えてください。 ○総務課長(田中照海君) お答えいたします。 行政の経費でございますので、最少の経費で最大の効果という面もございますので、いわ ゆる国、県の補助に応じた提出については当然紙が必要であります。
- 65 - 見直しについてでございますけれども、現在規定しております文書取扱規程で永久保存、 5年保存等々ありますけれども、それの単年度、例えば3年保存、単年度保存という規定を ある程度は単年の部分については規定を緩和して、3年、5年という規定の期間の見直しを 検討してもいいのではないかと私は思っているところです。 以上です。 ○1番(山口一生君) 期間の見直しと、あとはその文書の性質、特性に応じた管理、ハンドリングをしていくと いうのが今後期待されることかなと思っています。 先ほど答弁でもありました起案、決裁、管理について、管理もしくはマネジメントを徹底 していくということで言われているんですけれども、実際、そういった間違いが起きにくい ような起案と決裁と管理の仕組みというのが、今の技術を使えば可能というのはお分かりだ とは思うんですけども、今後そういったところの起案、決裁、管理についてどういう、例え ばいつぐらいから調査を始めるとか、どういうマイルストーンでこれを進めていくかという のを考えられているかというのを教えていただけないですか。 ○総務課長(田中照海君) お答えいたします。 いつからどうのというそういう計画的なものではございませんで、文書事務というものは 公務員の基本的な業務でございます。繰り返し習得する意味でも、改めて起案から管理、廃 棄等々に向けたところの文書管理というものの研修会を企画をして、恒常的にやっていきた いと思っております。 ○1番(山口一生君) そういったところの文書管理についての教育を研修会の実施によって強化をしていくとい うことで理解をしました。なるべく今年度中に、もし可能であれば一度ぐらいは実施してい ただきたいなと思っております。 職員のITリテラシー向上のための取組はどうかということで、基本的な製品というかI Tの製品についての学習はされているかと思うんですけれども、実際、どういった業務をデ ジタル化できそうだなと。例えば、定型業務というのと非定型業務というのが役場の行政の 中にもあるかと思うんです。定型業務というのは、手順がある程度決まっていて、例えば毎 年必ず同じ時期に行う、もしくは毎月行うような、手順があって、それに沿って情報を集め てなるべく誰でもできる仕組みのことですね。非定型の業務というのは、例えば何かしらの 企画を新しく立てるとか、そういったどちらかというと前例がないようなお仕事を指すと思 うんですけれども、実際に今の役場の業務の中で定型業務、非定型業務というものの区別は 今のところされているものなんでしょうか。 ○総務課長(田中照海君)
- 66 - お答えいたします。 日々複雑化しています行政業務でございますけれども、定型分というのは当然窓口業務 等々ありますけれども、窓口業務のマニュアル化ということで数年前に各職員からこういう 業務についてはこれこれこういう業務をして行政サービスの低下を招かない、誰が異動して きても同じようなサービスをできるというマニュアル化を作りまして、それを各職員が共有 できるようなホルダーを作っております。この窓口行政マニュアルを改めて見直してもらい たいと思っているところです。 以上です。 ○1番(山口一生君) まずは窓口業務のマニュアル化というところからきちんと業務の品質を担保できるように そこを徹底したいということで理解をしました。 大体行政だけじゃなくて、民間の会社でも引継ぎというのがすごく負荷がかかるものであ ります。いろんな中のローテーションといったものも役場内では結構頻繁にあるかと思いま すので、そういった引継ぎの効率化というところ、例えばAさんから引き継いだ仕事はすご くやりやすいけれども、Bさんから引き継いだ仕事は全体像が見えないとか、細かい文章が 抜け落ちているとか、そういうところが個性にもよってあるケースがありますので、なるだ けそういったところで業務の品質を落とさないような工夫を今後は徹底していただきたいな と思っています。 私が9番目に行政のデジタル化によってどのぐらいの工数削減が見込めるかというのを把 握しているかと聞いた理由は、太良町に住んでいる町民の方っていうのはどんどんどんどん 人口が減っていきます。それに応じて、例えば今の行政の職員の数を今のレベルで維持でき るかといういと、そうではないと思うんです。例えば、これが100人を切るタイミングが来 て、90人を切るタイミングが来て、80人を切るタイミングというのが将来必ず来ます。そう いうときに、例えば業務の効率化がそれに間に合わなければ、町民の数と職員の数というの が乖離していくわけです。そういうところで、行政のデジタル化というのは非常に重要なポ イントに来ているんじゃないかなというふうに考えているんですけれども、そういうところ で今後、どのぐらい工数を削減しないと人口減少に対応できないかというところの予測をお 持ちなのかというところを、もし今お考えがあれば教えてください。 ○町長(永淵孝幸君) お答えいたします。 まず、最後の質問ですけれども、工数についてはどのぐらい削減できるかというと分から ないと。これは、やはり今国がデジタル庁を作って、各地方自治体にも促すような検討がさ れているわけです。だから、どういった部分がデジタル化になっていくのかというふうなこ とを見極めて、例えば窓口業務を優先してやるとかというふうな方向性が示されると思うん
- 67 - です。そこら辺を見極めた上で検討していかないと、急いでやって、例えばそういったもろ もろについて国が交付金で対応してあげますよとか、こういうシステムを改修されれば補助 を出しますよとか、出てくるかも分かりません。ですから、私は我が町がトップランナーと してこの行政事務のデジタル化について積極的に取り組んでいくというふうな思いは今はい たしておりません。それは国、県の指導があると思うんです。先ほど言いましたように。で すから、そこら辺を見極めて、しっかり乗り遅れないように取り組んでいきたいとこのよう に思っております。 以上です。 ○1番(山口一生君) 今後、国とか県とか大きな枠組みの中で、一応町としても対応を前向きに検討していき実 行していくということで理解をしました。 その職員の数がもちろん減っていく懸念があるというのもあるんですけれども、こういっ た災害とか、例えばコロナとか感染症の拡大とか、物すごく今までとは違った仕事というの が突然降って湧いてくるというのが今年も何度かありました。そういう中で、行政のデジタ ル化もしくは効率化というところにもし着手をしなければ、どんどんどんどん残業が増えて いくとか、行政の職員の健康上の負荷がかかってくると。もしくは、行政の窓口というか町 民さんに対してのサービスの質が低下していくということが簡単に予測できるところではあ りますので、太良町らしい行政のデジタル化の在り方というのを今後も検討いただきたいな と思います。 私からの質問は以上です。