本文へスキップ
山口一生 佐賀県太良町議会議員
一般質問 /

海のモニタリング:ノリもカキも獲れない海で

まとめ

  • 事実:ノリは3〜4年連続で不作、竹崎カキも令和元年頃から水揚げが減少している。
  • 論点:海水温上昇、栄養塩不足、プランクトン発生、諫早湾干拓など、複合的な要因が絡み合っている。
  • 次の問い:海の中は見えません。国(水産技術研究所)のデータだけでなく、山・川・海・人の営みをトータルで考える「町民会議」のような場が必要ではないか。

質問の背景(なぜこれを聞いたのか)

「海が変わった」と漁師さんは言います。海産物が獲れなくなれば、太良町の観光産業も屋台骨が揺らぎます。 海の問題を海だけで解決しようとしても手遅れかもしれません。

質疑の整理(要点)

1) 深刻な不漁

ノリ、カキともに厳しい状況です。町も「海況変化」を認識していますが、具体的な原因特定と対策には至っていません。 国の調査機関に対し、もっと現場に近い場所(大浦など)での常時観測を要望しています。

2) 陸(生活)との関係

海は全ての排水の終着点です。私たちの生活排水、農業排水、山の管理。これら全てが海につながっています。 「森川海人(もり・かわ・うみ・ひと)」のつながりを再認識し、全てのプレイヤーが当事者意識を持つ必要があります。

3) 次世代への責任

「来た時よりも美しく」。これはキャンプ場のマナーですが、地球環境も同じです。 次世代に「魚のいない海」「泳げない川」を残すのか。今が分岐点です。

メモ

環境問題は大きすぎて無力感を感じるかもしれません。しかし、合成洗剤を減らす、山に木を植える、地域の掃除をする。小さな一歩が「海を守る」ことにつながっています。

全文(書き起こしテキスト)を読む

5番(山口一生君)

海の環境のモニタリングについて。

1つ目、町で行う調査はどのようなものがあるか。

2つ目、貝毒の調査はどのように行っているか。

3つ目、有明海の環境はどのような状況だと町は認識しているか。

以上、3点について回答をお願いします。

町長(永淵孝幸君)

山口議員の3点目、海の環境モニタリングについてお答えします。

1番目の町で行う調査はどのようなものがあるかについてでありますが、太良町で行っている調査はございませんが、国の機関であります水産技術研究所において、有明海の環境モニタリング調査として、1つ、船舶による観測調査、1つ、計測器による海水の表層、低層の連続観測調査、1つ、自動観測ブイによる連続観測調査が行われております。調査内容は、水温、塩分、濃度、濁度などであります。

2番目の貝毒の調査はどのように行っているかについてでありますが、太良町が独自で貝毒の調査を行っているわけではなく、佐賀県有明海漁業協同組合大浦支所が検査機関へ貝毒等の検査を依頼されております。今までに、有明海で貝毒が検出された事例はございません。

3番目の有明海の環境はどのような状況だと町は認識しているかについてでありますが、ノリ養殖については令和3年季、4年季と2季連続で不作、カキ養殖についても令和元年から水揚げ量が減少しております。また、その他の魚介類についても、年々減少傾向にあります。このような状況から、海況が変化しているものと認識はいたしております。

以上でございます。

5番(山口一生君)

3つ目ですね。海の環境のモニタリングということで、山の上から川を伝って海に水が流れ込むということで、最後に海の質問をさせていただいています。

町で海の環境調査を行っているということはないけれども、国の機関である水産技術研究所が有明海の環境のモニタリングをされて、海の、有明海の状況というのを定期的に検査されているということで理解をしました。かなり多くの項目にわたって検査をされていますし、太良町だけで海の環境をどうこうするというのはかなり厳しいということは、私も理解をしています。海に全てのものが流れ込む、最後にそういった結果が出る場所でもありますので、太良町独自で何かするというのは、正直難しいのかなと思います。ほかの市町とか、ほかの福岡県とか熊本県とか、いろいろなところと連携をしながら、海の環境の改善を図っていく必要があるのかなと。もちろん、長崎県もですね。

それで、今そういった状況の中で、例えばノリがここ何年も、3年以上不作であったりとか、貝も、カキ、竹崎カキとかがありますけれども、突然変死したりすると。そういったノリとカキの状況について、どういう認識をされているのか、どういう栽培、どういう状況かというのを、町の認識について教えてください。

農林水産課長(今田 徹君)

お答えいたします。

ノリもここ3年、4年と不作が続いておりまして、今年度も、第1回目の入札がありましたけど、多良地区についてはあまり思わしくない状況だと報告を受けております。カキについても、令和元年ぐらいからあまり漁獲量も増えていないということを聞いておりますし、その原因といたしましては、先ほどからといいますか、海況の変化があるのではないかというふうに言われております。例えば、海水温の上昇とか栄養塩不足とかプランクトンの大量発生とか、そういうふうなものが原因だということで聞いております。

以上であります。

町長(永淵孝幸君)

補足します。

今、この有明海の環境変化、海況の変化については、いろいろ言われております。学者がおられて、例えば諫干の問題とか、それからいろいろ先ほど議員が言われたように、家庭排水を含めての河川の汚染の問題とか、そういった複合的な要因の下に有明海も汚染されているんじゃないかという思いは、私個人的にはしております。しかし、そこを漁業者にしてみれば、諫干も開門して調査をしてほしいということでありますけれども、国はそれじゃなくて、あくまでも開門しない方向での有明海再生に向けて取り組むといったお話もされております。それで、先般漁協のほうも、じゃあ、それで行こうというふうなことで、有明海再生を優先してもらうというふうなことをして、お話もされて、国とも協議していかれるようでございますので、そこら辺を見て、我々も状況を見ながら、有明海の再生についてはどうなっていくのかという思いはしているところでございますが、今のノリとかカキの原因が何にあるのかということは、私たちも専門家ではございませんので、分かりません。

ただ、私が国のほうでお話しさせていただくのは、水産振興協議会の理事をさせていただいております。国の機関を太良町に、大浦付近に置いて、そして常時有明海を見ながら判断をしてほしいという要望をいたしております。話を聞けば、佐世保付近にあるということらしいですけれども、佐世保付近にあったって、有明海は常時分からんやろうもんというふうなことで、そういう要望をしておりますけれども、今後どういった形を取られるのか、状況を見ていきたいなと、このように思います。

以上です。

5番(山口一生君)

有明海の状況については、複雑怪奇というか、いろいろな原因が考えられると思います。先ほど町長が言われたとおり、例えば諫干の問題もしかり、いろいろな海の状況、河川の状況、いろいろな生活の環境とか、海でやっていることというのがどんどんどんどん、何十年もかけて変化していった結果が今だと思っています。先ほど言われたとおり、国のほうとこちらの太良町のほうで感じていることというのが、ずれがあるというのは私も感じていて、開門の調査等も含めて国のほうには理解をしてもらって、海の状況がここまで悪くなっているというのは、皆さんにも周知していくべきことなんじゃないかなと思っています。

それで、いろいろな関係者がいるかと思います。時間がないのであれですけれども、今回水のことについて取り上げたのは、もちろん海の状況が悪くなっているというのもありますけれども、お互い何となく自分の身を振り返ったときに、思い当たることがあるんじゃないかなというのが私の個人的な思いでもあります。何か1つが原因となって、今海がこういう状態になっているとか、自然環境がこういう状態になっているというよりは、生活のスタイル自体が大きく変化してきたことも一因なんじゃないかなと思っています。それで、皆さん自分が住んでいる環境、自然環境について関心が高まっている。自分のもちろん体の健康状態の維持についても関心が高まっているし、自分が住んでいる自然環境についても関心が高まっているタイミングかなと思います。こういったときに、町民さんとか、いろいろな方々を集めて、一度話をする場をつくってみてはどうかなと思います。太良町内での環境について考える会議とか、そういったものが今後必要になってくるんじゃないかなと思います。このタイミングでもし話ができなければ、我々の次の世代とか次の次の世代に太良町が残せないんじゃないかなというような危惧もありまして、こういったことを言わせていただいています。こういった環境について考える機会を町民の多くの人と一緒に持つという考え方について、町長はいかがお考えでしょうか。

町長(永淵孝幸君)

例えば、今有明海については、いろいろな部会がございます。例えば、カキ養殖、カキ生産振興協議会とか竹崎カニの協議会とか、そういったところの中では、この有明海については特にいろいろ話も出ております。ですから、太良町全体で、例えば山のほうについては森林組合を中心として山の手入れをしてもらいながら、いろいろな、その中でも、うちのほうも山林運営委員会ですか、そういったところもございますし、そういったところでいろいろなもろもろの意見を聞きながら、そして皆さんが全部こぞって話すというのはなかなか、おのおの分野が、山林、また海とか、違う。しかし、県が今やっております森川海人というふうなことで、森を育てて、川を通って、森で育った水が有明海に行って、いい海水になるというふうな思いの中でされておりますので、そこら辺については町でも植林して、何かそういう海と、そして山の人たちが一緒になってできるようなことは計画してみたいというようなことで、今担当課とは話をしているところでございます。

以上です。

5番(山口一生君)

時間も来ましたので最後にしたいんですけれども、私が単純に思っているのは、どうやったら次世代にいい環境を残していくことができるかという、その1点に尽きます。我々は、どこからか来てどこかへ行くんですけれども、せめて来たときよりも美しくということで、みんなでそういったところについて考える機会をつくって、いろいろな行動が取れればなというふうに考えております。

以上です。

議長(江口孝二君)

これで1番通告者の質問が終わりました。