移動手段の確保:高齢者の生活を支える足のあり方
まとめ
- 事実:コミュニティーバスの年間利用者は約7,800人。運行維持のため、町は乗客1人あたり約2,200円の公費負担を行っている。
- 論点:町内に眼科等の専門医院がなく、免許返納後の通院や買い物など、日常生活の移動手段確保が切実な課題となっている。
- 次の問い:タクシーやバス以外の選択肢として、国で議論される「日本版ライドシェア」等の導入可能性について、町の考え方を確認。
質問の背景(なぜこれを聞いたのか)
免許を返納した後の生活をどう維持するかは、高齢者だけでなく将来の全町民に関わる問題です。 既存の公共交通機関だけではカバーしきれない移動ニーズに対し、どのような支援策が可能か、将来的な視点も含めて質問しました。
質疑の整理(要点)
1) コミュニティーバスの運行状況
利用者の減少傾向は見られるものの、地域にとって不可欠な移動手段として機能しています。 多額の公費負担(赤字補填)が必要ですが、福祉施策としての継続的な運行維持の方針が確認されました。
2) 新たな移動手段の検討
既存のタクシー事業者への配慮や法的な課題もあり、ライドシェアの即時導入には慎重な姿勢が示されました。 一方で、過疎地域における移動手段確保の重要性は認識されており、国の動向を注視しつつ検討を進めるとの回答でした。
3) 世代間バランスへの配慮
子育て支援などの若者向け施策だけでなく、高齢者の生活課題である「移動」についても財源と知恵を注ぐ必要があります。 全ての世代が安心して暮らせるまちづくりのため、バランスの取れた予算配分を求めています。
メモ
公共交通の維持には多額の税金が投入されていますが、採算性だけで廃止することはできません。 限られた財源の中で、デマンドタクシーや住民同士の助け合い(互助輸送)など、地域の実情に合った持続可能な仕組みを模索し続ける必要があります。
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○5番(山口一生君) 次は、町内の移動の利便性の向上について質問をいたします。 高齢化に伴い免許返納や運転を控えるなどの動きが拡大している中、太良町に安心して住 み続けるためには、移動の利便性のより一層の充実が求められています。コミュニティーバ スを含めた交通政策について問う。 1つ目、コミュニティーバスの乗車数はどのように推移しているか。2つ目、コミュニテ ィーバス運営の評価はどうか、また課題はどのような点があるか。3つ目、免許返納者はど のように日常の移動手段を確保しているのか、また調査などを行っているか。4つ目、現在 の移動手段事情について町はどのような課題を把握しているか。5つ目、ライドシェアとは どのような仕組みか。6つ目、本町におけるライドシェア導入の検討を行っているか。7つ 目、ライドシェア導入における課題はどのようなものがあるか。8つ目、本町における移動 手段確保の将来的な姿はどのようなものと想定しているか。 以上、8つの点についてお尋ねします。 ○町長(永淵孝幸君) 山口議員の2点目、町内移動の利便性向上についてお答えします。 1番目のコミュニティーバスの乗車数はどのように推移しているかについてでありますが、 令和3年度の年間乗降人数は7,792人で、令和4年度においては7,802人となっております。 2番目のコミュニティーバス運営の評価はどうか、また課題はどのような点があるかにつ いてでありますが、コミュニティーバスについては地域の足という位置づけで開始している 取組で、令和2年度、半年間の実証実験時に比べ、3年度、4年度の本格運行時のほうが利 用者が増えており、しおさい館や病院、商業施設を利用するなど、多様な利用方法が広まっ てきていると認識をいたしております。また、課題はどのような点にあるかについてであり ますが、目的地までの乗車時間が長いなど、運行ルートによりバスの利用が少なくないこと が挙げられております。 3番目の免許返納者はどのように日常の移動手段を確保しているのか、また調査などを行 っているのかについてでありますが、免許返納者で申請手続をされた方については、1回、 1年間に限り、コミュニティーバスの回数券、またはタクシー利用券の配布を行っておりま す。返納後翌年からは、バス乗降が可能な方はコミュニティーバス回数券を購入されている 状況であります。また、免許返納者の移動手段の確保状況について調査を行っているかにつ いてでありますが、免許返納者だけを対象とした調査は行っておりません。
- 70 - 4番目の現在の移動手段事情について町はどのような課題を把握しているかについてであ りますが、少子・高齢化が進む社会の中で、運転免許証を持たない高齢者の移動支援にどう 対応していくのかが課題だと認識しております。 5番目のライドシェアとはどのような仕組みかについてありますが、タクシー運転手の不 足を補うための施策として、旅客運送に必要な第二種運転免許を持たない一般ドライバーも 自家用車でタクシー営業ができるようにすることで、自家用車の所有者と自動車に乗りたい 人とを結びつける移動手段であると考えております。 6番目の本町におけるライドシェア導入の検討は行っているかについてでありますが、町 での検討は行っておりません。この制度については、現在国において検討されている事項で ございますので、国が定める制度内容を基に、今後地域の交通協議会等において協議してい くものと考えております。 7番目のライドシェア導入における課題はどのようなものがあるかについてでありますが、 ライドシェア導入については現在国で協議検討されておりますので、国が制度内容を定めた 後に課題に対する分析協議を行いたいと考えております。 8番目の本町における移動手段確保の将来的な姿はどのようなものと想定しているかにつ いてでありますが、町の限られた予算の中での交通政策と全国的な問題である運送業の運転 手不足など、課題が一気に解決できる事業ではないと認識しております。太良町においても、 移動手段の解決策になるような情報を取り入れながら、コミュニティーバスとタクシー、あ るいは今国で協議検討されているライドシェアなどを組み合わせながら、地域に応じた活用 を行い、利便性の向上や利用客の増加を目指して、地域の足となるよう交通行政に取り組ん でいきたいと考えております。 以上でございます。 ○5番(山口一生君) 現在のコミュニティーバスの運営の状況、そういったところについてお答えいただきまし た。 現在、コミュニティーバスの運行をされて数年たってるんですが、今のコミュニティーバ スの乗車人数1人当たりに対する運営費用というのは幾らぐらいになっているんでしょうか。 ○企画商工課長(萩原昭彦君) お答えいたします。 コミュニティーバスの運営事業費からコミュニティーバスに乗られる使用料と、あとコミ ュニティーバスの補助金を差し引いた額を乗車人数で割り出して算出をしております。町持 ち出しの乗車1人当たりの経費につきましては、令和3年度で2,300円、令和4年度で 2,180円となっております。 以上です。
- 71 - ○5番(山口一生君) 町の持ち出しで令和3年度においては2,300円、令和4年度においては2,180円ということ で、1人を目的地に運ぶということで、そんなに安くないお金がかかっているというのが現 状だとは思います。しかしながら、令和4年度においては7,802人、延べ人数ではあります けれども、こんなに多くの方の移動の足となっているのも事実ではありますので、早急にコ ミュニティーバスを廃止するとか、そういった過激な議論はないかなとは思っています。 コミュニティーバスに乗れる方というのが実際に限定をされているという事実もあります。 例えば、バス停まで自分で歩いていける方というのにコミュニティーバスの利用が限定をさ れていて、それができない方というのはタクシーを利用されたりしてるかと思うんですけれ ども、そのタクシーの利用について、こういったタクシーチケットを町のほうで配布をされ ているかと思うんですけれども、そのタクシーチケットの利用状況について教えてください。 ○企画商工課長(萩原昭彦君) お答えいたします。 令和3年度におきましては、配布に対して利用枚数が3,662枚で、利用率につきましては 56.8%となっております。令和4年度におきましては、4,024枚、利用率につきましては 62.6%の状況になっているところでございます。 以上です。 ○5番(山口一生君) タクシーのチケット配布をされて、そういった交通に対して不便な方というのを支援され てるかと思うんですけども、例えばそれが全て使用されてるわけではないと。全て利用され てない理由について、町のほうではどういった分析をされていますか。 ○企画商工課長(萩原昭彦君) お答えいたします。 確実なアンケート等は取ってはおりませんけども、うちのほうで分析というかいろいろ見 ておるのは、1年を通して、まずは申請をして、もらっておこうと。それで、通常大半の方 は幾らか使われているんですけども、何かの折には近所の方とかといった形で、なるべくそ れを使わないような傾向にあるのかなというふうな感じで見ております。それで、最終的に は年次的な計画での使用というのが行われていない状況の方も若干いらっしゃるのかなとは 思っております。 以上です。 ○5番(山口一生君) タクシーの台数も町内の事業者さんは限られてはおりますので、すぐに使いたいときに、 例えば少し待ち時間があるとか、そういった状況もあります。予約をしておけばつつがなく 行けると思うんですけども、例えば近隣の方が車を出していただいて移送をされてる、そう
- 72 - いったのもよく聞くことではあります。 そこで、コミュニティーバスとかタクシーとかも使えない方というのがどうしてるのかと いうことがあるんですけども、太良町の外出支援サービスというのがあるかと思います。そ の外出支援のサービスについて今行われてることについて、内容を少し教えていただけない でしょうか。 ○町民福祉課長(森川陽子君) お答えします。 太良町の外出支援サービスということでお答えしますけれども、まず役場のほうから太良 町の社会福祉協議会のほうへ委託をしている事業でございます。利用登録者数が今のところ 7名ということで、サービスの内容につきましては通院のみですね。利用者は車椅子とか補 装具とかを利用されてる方が対象となっております。 以上でございます。 ○5番(山口一生君) 今のところ行政的に支援を行っている移動のサービスとしては、コミュニティーバスが1 つ、タクシーチケットによる支援、もう一つがこの外出の支援のサービスということで、い ろんな場所でいろんなタイプの移動の支援のサービスを組み合わせて今展開をされているか と思います。どのサービスをやるにしても、運転をされる方と車という、車のメンテナンス とかも含めて車両というのが必要になってきます。 今のところ、国のほうで近年議論をしているライドシェアについては、先ほどお答えいた だいたとおり、一般の方が自分の自家用車で人を運んでお金を受け取れる、今までで言った ら白タクみたいな感覚だと思うんですけども、それをどこまで解禁するかというのが国のほ うで議論をされている内容になっています。タクシーの事業者からしたら、今まできちんと ドライバーの二種免許を取得して、車両の定期点検も行って、法令に沿って整備等をがちが ちにして、事故がないようにということで教育もして運行をしていたものが、一般の方が参 入してくると、安全性をどうするのかとか、タクシーが今守ってる法律はどうなるのかとい うところの議論もありますので、非常に複雑な議論が必要になってきてるのも事実です。 しかし、日本国内のほかの市町を見渡すと、そういったライドシェアについて試験的に運 行をしてみようかというところも出てきているのは事実です。太良町でライドシェアがどう いうふうに活用できるか、今の分かっている段階でいいんですけれども、そういったところ についてはどういうふうに考えられてるのかというのをもう一度教えていただきたいと思い ます。 ○企画商工課長(萩原昭彦君) お答えいたします。 ライドシェアにつきましては、国が現在4月から部分的な導入に向けて開始の取組をされ
- 73 - ているところでございます。現在、国におきましても、ライドシェアの導入に向け実施中の パブリックコメントを含めて3月中に協議をされておる中で、国交省佐賀運輸支局及び県か らも現在詳細についての詳しい情報は何ら入ってきてない状況でございます。全国の報道的 には、今私たちが把握してるのは、1,718市町村の中での26ぐらいが導入に向けて動き出し てるというお話はちょっと聞いてるんですけども、太良町としては、まず国の制度設計及び 実証実験で得られました情報、課題などを基に、太良町に当てはめてどのような課題等があ るのかなどの研究を重ねていきたいと思っているところでございます。 以上です。 ○5番(山口一生君) 近年、少子・高齢化、特に高齢化の問題がありまして、免許を返納する、免許を更新する タイミングで認知機能のテスト等を行って、免許を再交付はできませんという方も出てきて いらっしゃいます。 もう一つ、潜在的にリスクがあるのが、年を重ねるごとに目の病気というのも非常に身近 なものになってきているというのを聞きます。例えば白内障とか緑内障とか、そういったも のが70を超えて80歳に向かうぐらいの段階で珍しくはなくなってくると。目が見えなければ、 車を運転するというのは、ほぼ不可能ですよね。そういったところで、太良町内に眼科はあ りません。眼科がないです。通院をしようと思うと、薬が28日分しか処方をされませんので、 必ず1か月に1回、何らかの手段を使って眼科に行って、お医者さんに見てもらって薬を処 方してもらうということが必要になってきます。 そういったところで、免許は持ってるけれどもちょっと視力に不安があるよねという方が 潜在的に増えてるんじゃないかなというのが、私が調査した結果、分かってきたことでもあ ります。そういった方が今後どういうふうな形で町外の病院へ通院等を行っていけばいいん でしょうか。 ○企画商工課長(萩原昭彦君) お答えいたします。 交通政策関係につきましては、一定の条件に該当する方になりますけども、コミュニティ ーバスに乗車することが困難な方については、タクシー利用券の配布事業で年間48枚の交付 をいたしてるところでございます。また、福祉関係では、身体障害者手帳の交付を受けられ た方につきましては、バス、タクシーの乗車割引制度などがございます。現時点では、御質 問のような通院負担についての軽減措置は太良町では取っていない状況でございます。 以上です。 ○5番(山口一生君) 刻一刻と変わっていく社会の状況と自分の体の状況と折り合いをつけていきながら日々の 生活をしていかなければいけない、食べるとか病院に行くとか、スーパーに行く、病院に行
- 74 - くというのが2つの本当に大きな問題かと思います。 もし今の状態で町内のタクシー会社が撤退した場合、どのようなことが考えられますか。 ○企画商工課長(萩原昭彦君) お答えいたします。 現在利用されているタクシー利用者の方を含めまして、町民全体の方が移動される場合に、 交通弱者と言われる方々に対しては特に、買物、病院等へ移動するための交通手段がなくな るということは、非常に不便が生じることだと感じております。 以上です。 ○5番(山口一生君) そのタクシーの会社も、慈善事業ではやっていけないということで、利益が出なければな かなか継続することが難しい。しかし、利益が出るような状態で運営がされてるのかという のは、タクシーを使う方個々の状況ではありますけれども、そういったところもどんどん状 況は厳しくなっているというのが現状だとは思います。 このライドシェアについては、個人の素人がお客さんを乗せて走るということでいろいろ 問題も多数あるかとは思うんですけれども、今後コミュニティーバスを主軸として町民さん の移動の利便性を、待ち時間とかは正直あると思うんですよね、行きたいときにすぐぽっと 行けるというのは、さすがにそこまでは担保はできないとしても、例えば1週間のうち何曜 日の何時にどこにいたい、例えば病院の通院とかにおいては、もう少し親身になって制度設 計ができる部分なのかなとは思っています。実際、高齢化率が40%近くあって、65歳以上の 方が40%を占める太良町でありますので、そういったところのニーズを酌み取ることが今後 は喫緊の課題じゃないかなと思います。 私は高齢者の方と話してて、よく言われることがあります。あんたたちはよかねと、若い 世代はいいねと、子育て支援が充実していて、給食費もただで、医療費もただで、我々が子 育てをしてるときにはそういうのはなかったと。本当にそうだと思います。本当に若い世代 は恵まれていますけれども、でも実際に若い世代は若い世代で給与所得が非常に低いとか、 そういった問題を抱えているのも事実です。そういったところで、若いもんはいいねとか、 高齢者はいいねとか、そういう町の中が分断されるようなものではなくて、今、人がいて、 例えば基金もある程度ある状態なのかなとは思いますので、そういう未来の絵姿をどういう ふうにするかというのに対して投資を積極的に行ってもいいんではないかなとは思っていま す。 プロ野球の選手も、10回打席に立って3回打てばプロの3割打者ですよね。なので、失敗 はあるかもしれないんですけれども、失敗をしなければ何が適切かというのも分かってこな いことだとは思います。この交通政策については、本当に結構いろんな手だてを試してみて、 ドライバーになってくれる方がいるのか、車両の管理はどうしたらいいか、どうしたらより
- 75 - 多くの人が便利に町で暮らせるかというのを検討していく必要が今後出てくるかと思います けれども、こういったところに予算と人を今後どのように配分をされていくか、今の段階で の町長のお考えをお聞かせください。 ○町長(永淵孝幸君) 高齢者の移動手段というのが必要ということは、十分分かってるわけですよね。しかし、 財政的なこともまず考慮して考えていかなきゃいけないと。ですから、タクシーの会社もあ ってもらわなくてはまた困る、そしてコミュニティーバスも国からの補助をもらって運行し ておりますので、これにも乗ってもらわなきゃ困ると。そして、ライドシェアに取り組むと 聞いちゃ、町内の事業者さんあたりと十分協議をしていかんと、そちらのほうに走ってしま えばタクシー業者さんの締めつけみたいな形になってしまうというふうなことで、これらに ついては十分協議をして、またライドシェアについては国の方針が出てから、こういったこ とでというふうなことでタクシー事業者さんと取り組む必要もあるかと思います。 それで、できたら、はい、分かりました、もうコミュニティーバスは不便だからタクシー 券をやりましょう、すぐ行かれるようにというふうなことを本当はしてあげたいんですよね、 デマンドタクシーみたいなことを取り入れながら、そういったことも含めて。しかし、今の 財政事情でいけば、本当にどういった方法が一番ベターなのかということは、町の交通対策 協議会の中でも協議をしながらやっているわけですよ。ですから、何かいい方法がないかな というふうなことを思っております。逆に、議員さん方も、こういった方法もあるんじゃな いかというふうなことを御提案していただければ幸いかなと思っております。町でも我々も 担当を含めて盛んに検討はしてるんですけどね。 そういったことで、答弁にはならないかも分かりませんけれども、とにかくお年寄りさん たちから言われるその言葉というのは十分に分かります。若者支援ばっかりして、年寄りに は何もせんでと言われたもんですから、敬老祝金をちょっとやって、そこら辺でひとつ辛抱 してもらいながらというふうな話の中でしよるわけですけれども、そういったことで何かい い方法がないかは検討してまいりたいと思っております。 ○5番(山口一生君) 時間も来ましたので、これで私の一般質問を終わります。ありがとうございました。