山口一生 佐賀県太良町議会議員
一般質問 /

まちの人事部:人材不足という前提に、町はどう向き合うのか

まとめ

  • 事実:町内在住の外国人は89名、役場採用は年度により応募が大きく変動している。
  • 論点:人材確保を個別対応のまま続けることの限界と、町として関与する範囲。
  • 次の問い:人材募集や年齢要件の考え方は、今後どう整理されるのか。

質問の背景(なぜこれを聞いたのか)

私自身、町内の事業者や役場職員から、人材確保が難しくなっているという話を聞く機会が増えている。 役場という比較的安定した職場でも、採用に至らない事例が出てきている。 産業の維持や町の運営を考える上で、人材の集め方そのものを整理する必要があると感じた。 そのため、「まちの人事部」という考え方について確認したいと考えた。

質疑の整理(要点)

1) 外国人住民の現状と交流の取組

  • 町内在住の外国人は、令和6年5月1日現在で89名。
  • 令和5年度に、多良中学校の生徒と町内在住外国人との交流を実施。
  • 今後も交流の場を模索していく考えが示された。

2) 太良町役場における人材募集の状況

  • 太良病院を除く採用実績として、
    • 令和元年:受験者21人、採用7人
    • 令和2年:受験者21人、採用6人
    • 令和3年:受験者11人、採用6人
    • 令和4年:受験者11人、採用5人
    • 令和5年:受験者18人、採用5人
  • 令和5年度の1回目(9月)の統一試験では、受験者4名、合格適格者1名、その後辞退により採用ゼロ。

3) 採用コストと求人情報の集約可能性

  • 職員募集の費用は、広報費と試験委託費。
  • 広報は回覧、広報紙、ホームページ、公式LINEを利用し、特段の費用は発生していない。
  • 試験委託費は、統一試験で受験者1人当たり約2,100円、独自試験の場合は約3,000円。
  • 全産業の求人情報を町が取りまとめる取組については、現段階では考えていないとされた。

4) まちの人事部の考え方と年齢制限

  • 他自治体では、民間主導・行政支援型の連携組織として運営されている事例があるとの説明。
  • 継続的な財源や人材確保が課題とされ、現段階での導入は考えていないとされた。
  • 町職員採用の年齢制限は、現在29歳が上限。
  • 年齢制限については、応募状況を見ながら変更可能であり、柔軟に対応する考えが示された。
  • 技術職については、年齢幅を広げた採用の必要性について検討しているとの補足があった。

メモ

  • 役場でも採用ゼロの回が出ている点が強く印象に残った。
  • 人材確保を個別の努力に委ね続ける形が続いているように感じた。
  • 年齢制限を含めた採用条件の整理が、今後の分かれ目になりそうだと感じた。

一次情報

  • 令和6年6月議会 一般質問(音声書き起こしログ)
  • ※議事録が公開されたら追記予定
全文(書き起こしテキスト)を読む

※ここに貼る場合は「未編集の一次ログ」であることを明示する。

まちの人事部の創設について。 人口減少に伴い、本町のみならず、日本国内では人手不足が急加速しています。産業の維 持継続に当たっては、喫緊の課題であるまち全体の人事部を創設することが必要であると考 え、このことについてお尋ねをします。 1つ目、人手不足を補うために外国人の雇用が広がっていますが、現在の町内在住の外国 人は何人か。 2つ目、外国人と町民のコミュニケーションや相互理解促進についての本町の取組はどう なっているか。 3つ目、太良町役場における人材募集の現状はどうなっているか。 4つ目、1人を雇用するためにかかるコストはどの程度か。 5つ目、求人情報を行政で取りまとめて、人材募集を広く行う取組は可能か。 6つ目、日本全国でまちの人事部という取組が広がっているが、これはどのような取組か。 また、同様の取組を本町でもできないか。 以上6つになります。 ○町長(永淵孝幸君) 山口議員の2点目、まちの人事部創設についてお答えします。 1番目の人手不足を補うために外国人の雇用が広がっているが、現在の町内在住の外国人 の数は何人かについてでありますが、令和6年5月1日現在で89名であります。 2番目の外国人と町民のコミュニケーションや相互理解促進についての本町の取組はどう なっているかについてでありますが、実績としましては、令和5年度に多良中の生徒と町内 在住の外国人の方との交流を実施したところですが、今後も引き続き町民と町内在住の外国 人の方との交流の場を模索していきたいと考えております。 3番目の太良町役場における人材募集の現状はどうなっているかについてでありますが、 太良病院を除く年別受験者と採用者数を申し上げます。 令和元年、受験者21人、採用人数7人。令和2年、受験者21人、採用人数6人。令和3年、 受験者11人、採用人数6人。令和4年、受験者11人、採用人数5人。令和5年、受験者18人、 採用人数5人。 以上でございます。

  • 66 - 4番目の1人を雇用するために係るコストはどの程度かについてでありますが、職員募集 に係る費用としては、広報費と試験委託費が経費となります。広報は、町の回覧、広報紙、 ホームページ、公式LINEを利用していますので、特段の費用は発生しておりません。試 験委託費としては、佐賀県町村会の統一試験が、受験者1人当たりの負担金が約2,100円、 町独自の採用試験を行う場合で、専門業者に試験の委託をする場合で1人当たり約3,000円 程度となります。 5番目の求人情報を行政で取りまとめて、人材募集を広く行う取組は可能かについてであ りますが、求人については、ハローワークや個人事業主が独自に人材確保に努力されている ものと思います。現段階では、町が全産業で人材募集を広く行う取組については考えており ません。 6番目の日本全国でまちの人事部という取組が広がっているが、これはどのような取組か。 また、同様の取組を本町でもできないかについてでありますが、全国での取組の事例の一つ を申し上げますと、民間と行政からの人材を合わせた連携型で組織を立ち上げ、民間事業者 主導による民間ノウハウを活用した運営形態とし、行政が委託事業として運営に対する支援 を行っているケースがあります。課題としては、継続的な組織運営体制の構築のための安定 した財源と、実績ある事業者及び人材の確保のほか、様々な課題があると思われますので、 現段階ではまちの人事部などの取組については考えておりません。 以上でございます。 ○5番(山口一生君) 2つ目ですね。 まちの人事部ということで、求人とか、こういった仕事がありますというのを町のほうで バックアップしながら、広く全国に対して募集をするということが可能かどうかをお伺いし ました。今のところ、こういった取組については検討は考えてはいないということで回答を いただきました。実際、民間の雇用の状況というのは、非常に厳しくなっています。もちろ ん、給料がどんどんどんどん高くなっていますし、太良町だけでなくていろいろなところで 採用が難しくなっていて、人材不足というのが顕著になってきています。太良町役場におい ても、去年18名ですね。受験者18名、採用人数5名ということでありましたけれども、これ は1回目の募集のときは、実際何名の方が応募をされたんでしょうか。 ○総務課長(津岡徳康君) お答えいたします。 1回目の統一試験は9月に行いましたけれども、その受験者数は4名でございました。そ のうち、合格適格者は1名のみでございました。その合格適格者の1名が2次試験を辞退さ れましたので、応募はゼロということで、9月の統一試験は採用ゼロという結果で終わりま した。
  • 67 - 以上でございます。 ○5番(山口一生君) 経営的に一番安定というか、担保されている太良町役場においても、9月の募集の時点で はゼロ人ということで、採用まで至らなかったということで、人材の獲得の難しさというの が、役場でも感じられるようになってきているということが分かりやすくなってきていると 思います。民間はさらに条件が、例えば休みが少ないとか、給与が低いとか、そういったこ ともありますので、人材獲得においては困難を味わっているというのが今の状況です。その 代わり、外国人の方に来ていただいて、いろいろなところで活躍されている方も多いんです けれども、いろいろな日本国内でも外国人が増えて治安が悪くなったとか、文化の違いで、 例えばそういったいざこざがあるとか、そういったことというのが今現在太良町内では起き たりとか、そういったことというのがあるんでしょうか。 ○総務課長(津岡徳康君) お答えいたします。 防犯の担当課としてお答えをいたしますけれども、警察からは、町内で外国人がそういっ た犯罪を、事件を起こしたということは報告は受けておりませんけれども、1件、大浦駅で 外国人が学生の付きまといをしたというような報告は受けております。 以上でございます。 ○5番(山口一生君) 1件、そういった外国人の懸念される事案があったということで理解をしました。町民さ んも、例えば最近自転車に乗って外国人の方がスーパーに来ているとか、身の回りで結構見 かける機会も増えてきたので、そういった外国人との共生というのも、産業の維持ができな くなっているというのが正直なところですので、町としてもそういったところの理解を深め ていく、なるだけ穏便に共生できるような状態もある程度は検討していく、促していくよう なことも必要なのかなと思っています。実際、ミカンとかの農家さんにお話を聞くと、ミカ ンがなっているけどちぎる人がいないと。ミカンもなっているだけではお金にならないので、 ちぎる人が来てくれたら、ある程度そういった収入にもつながるということで、今後も外国 人に来ていただいて、共に頑張っていただくというような機会は増えるのかなと思っていま す。 それで、来ていただくということになったときに、町外から人が来るといったときに、前 の話に戻りますけれども、住宅がないというところに、振出しに戻るということになります。 結局、住むところが限られていて、現在そういったところもないというのが根深い問題とし てありますので、そういったところはこういった人事関係のところ等を含めて、今後も柔軟 に積極的に検討いただけたらなと思っています。 それで、実際町の職員の話なんですけれども、募集をしても思ったように人材が集まらな
  • 68 - いということが今後増えていくんではないかなというのが考えられるんですけれども、実際 今町職員を採用するに当たって、年齢制限等はあるんでしょうか。 ○総務課長(津岡徳康君) お答えいたします。 試験につきましては、受験資格の中に年齢制限を設けさせていただいております。 以上でございます。 ○5番(山口一生君) その年齢というのは、何歳でしょうか。 ○総務課長(津岡徳康君) お答えいたします。 最新の年齢制限では、29歳を上限といたしているところでございます。 以上でございます。 ○5番(山口一生君) 29歳が上限ということで今は場を仕切られていると思うんですけれども、今後人材の獲得 が難しくなってくるということであれば、そういった年齢制限というものも見直す、もしく は撤廃するということも視野に入れながら、検討されたほうがいいんじゃないかなと思って います。実際、今現在会計年度任用職員等で町の運営を一緒にやってくれている方もいらっ しゃるかと思います。そういう方がもっと本腰というか、もっといろいろな業務に携わって、 例えば太良町を盛り上げたいとか、町の運営を活性化したいという方もいらっしゃるのかな というのを考えていますので、そういった年齢制限等の見直しについて、今後議論というか 検討をしていただきたいなと思うんですけれども、そのことについてはいかが考えられてい ますか。 ○総務課長(津岡徳康君) お答えいたします。 年齢制限につきましては変更可能でございますので、人材の応募の動向を見守りながら、 柔軟に対応できればなというふうには、担当としては思っているところでございます。 以上でございます。 ○町長(永淵孝幸君) 職員の採用については、例えば技術屋あたりは、年齢がどうしても29歳ぐらいでは応募者 がないという場合もあります。どこかの、例えば民間の会社に行きよって、事情があって太 良に帰ってこないかんという方がおられたとすれば、そういった方が受けやすいような体制 をつくってやって、太良町にまた戻ってきてもらって、太良町役場で働いてもらうと。正直 言って、今うちの技術あたりは年齢が行きまして、退職という形になって、職員の技術屋も 少なくなってきておりますので、今後いろいろ事業をする上で差し支えも出ております。そ
  • 69 - ういった意味で、少し年齢の幅を広げて採用できないかというようなことで、担当課長あた りとも協議をしながら進めておりますけれども、そこの辺を、今議員御案内のとおり、検討 しながら対応していきたいなとは思っております。 以上です。 ○5番(山口一生君) 現在、世の中的にも年齢による差別とか性別による差別とかというのが、以前に比べると かなり細かくもなってきていますので、その方がどういう動機でどういう思いでこの太良町 の、例えば運営に携わりたいかというお気持ちを酌み取ってもらえると、いろいろな選択肢 が広がるのかなというふうに考えています。実際、30歳ぐらいでどうしようかなと、民間の 企業で働いていたんだけれども、太良町に仕事があったら帰りたいなという人も、もしかし たら町出身者の方とかでいる可能性もあります。実際に佐賀県庁とかでは、社会人枠という ことで民間から人材をどんどんどんどん今入れていて、私もお会いする県庁職員の方で、去 年まで民間の会社にいましたという方をよくお見かけするようになってきました。一応、町 としての仕事のやり方とか考え方とかというのはあるかと思うんですけれども、いろいろな こういった変化が多い時代、しかも人口が減り続けていて、太良町のように課題先進地です ね。太良町が先陣を切って解決していかなければならない問題が山積みの状態である中にお いては、そういった民間の知識を持っている方、外部の知識を持たれている方、年齢、性別、 幅広く探し出して、何とか来ていただく必要もあるのかなと考えています。そういった募集 の門戸を広げられるに当たって、できれば民間の事業者の広報のときに、こういう人材を探 していますというところの広報に相乗りをさせてもらうと、民間の事業者も人材を探し出す 費用というのが低減できますので、そういったところで産業の下支えというのを考えてみて いただけたらなと思っています。今の状態だと、かなり限られた方に対しての門戸が開かれ ている状態ではありますので、いろいろな今までのお仕事のやり方、そういったものも踏ま えながら、なるべく広く人材を募集して、そういった人材の方が見つかれば、住む場所はこ ちらにありますということをスムーズに御案内ができるような状態をつくる必要があるかと は思います。 以上で私の質問は終わります。 ○議長(江口孝二君) これで3番通告者の質問が終わりました。 昼食のため、暫時休憩します。